訓練所に僕が入ったのは1歳になってしばらくした時だったんだ。ゆきこママとパパとモネお姉ちゃんと一緒に車に乗って着いたところが訓練所だったんだ。その時は二度と会えないなんて思ってもいなかったのに、それからは一度も訓練中には会えなかった。
そして毎日の特訓が始まったんだ。僕は一生懸命教えてくれる人の言うことを聞いて頑張ったんだよ。1年間の間に何回かテストがあって、だんだんと仲間が少なくなっていった。でも僕は最後までテストに受かって盲導犬最終テストを受けたんだ。それにも受かって僕のバディーパートナーになってくれる人を待っていたんだけど全然いなくって、僕と一緒に受かった子達がどんどんデビューして行っちゃった。そして僕一人が残されちゃったんだよ。そんな時に訓練士さんが僕をママンに合わせてくれた。そして一緒に歩いたんだ僕はすごく緊張して、嬉しくてどうしていいか分からなくなっちゃった。
それからママンと一緒に歩いてみると、ママンは僕を嫌だってみんなに話しているのを聞いちゃっんだ。がっかりしたけど僕はママンが好きだから、絶対に僕のことも気に入ってくれるってずっと思っていたんだよ。
そして訓練士さんが僕を迎えに来てお部屋に連れてってくれた。そこにはなんとママンがいたんだ。僕は嬉しくて飛びついちゃった、そしたらママンも僕を抱きしめてくれたよ。
これから1か月間ママンと一緒に訓練をするんだって言われ凄くわくわくした僕。
するとママンが僕をブラシングしながら話してくれた
「ガウディは盲導犬の訓練はしっかり出来上がってると思うけど、私は目が見えないからとても不安なのよ。一緒に頑張ろうね。訓練士さんとはかなり違う動きだと思うだろうけどそのうちちゃんとリードできるようになるからね」
って話してくれた。僕は何のことを言われているのかよくわからなかった。
目が見えないってどういうことなのかな?きっと今まで教えてもらった事と関係が有るのかな?って考えて明日からの訓練に備えて、今日はママンにいっぱい甘えちゃった。