第6話 ぼく盲導犬になったよ

合同練習というのは僕達盲導犬とパートナーになる人たちとの一緒の訓練のことなんだってさ。だいたい一か月間一緒に生活して、安心して歩けるように練習するんだって。

まず最初に障害物をママンに教えたり段差を教えたり、車の乗り降りとか、車に乗って街に行って人混みを避けて歩いたり、横断歩道を渡ったり角を曲がったりまっすぐ歩いたりするんだよ。

訓練士さんが後ろからついてきて、ママンに指示を出してママンが僕が分かる言葉で僕に指示を出すんだよ。慣れるまでちょっと時間がかかっちゃったけどしばらくしたらママンの動きがだいぶ分かるようになった。訓練士さんとは動きが全然違うんだよ。

時々突っかかったり、僕を引っ張ったりしたんだけど僕とママは二人で協力して良いチームになったんだ。エスカレーターを登ったり降りたり、エレベーターに乗ったり降りたり、階段を上ったり下りたり、改札を通って電車に乗ったり降りたり、お店に入ってお買い物をしたりいろんなことを上手にこなせるようになったんだ。踏切を渡った事もあったよ。毎日午前中と午後2回練習をして一か月があっという間に過ぎたんだ。そしてママンと僕との生活が終わっちゃった。ママンは僕を抱きしめて「ガウディまたね」って言っていなくなっちゃった。僕はゆきこママ達とさようならしたことを思い出してなんか寂しくなっちゃった。ママンにも会えなくななっちゃうのかな?どうしよう僕ママンが大好きなのに。

次の日訓練士さんが僕に新しいハーネスをつけてくれて、車に乗って着いたところがママンのお家だった。そこにはゴールデンのララちゃんがパパと一緒に待っててくれた。訓練士さんが僕とママンのペアーの成績を発表してくれた「◎」だったよ。僕盲導犬になれたんだ。やったね!

それからララちゃんに挨拶をしたんだけれどララちゃんは僕から離れていっちゃった。何か失敗したのかな?しばらくララちゃんの後を追いかけたけどダメだった。嫌われちゃったのかな?

何日か経ってパパにララちゃんが「あの子やだ」っていうのを聞いちゃった。

僕失敗したんだ、他の犬と付き合ったことがないからかな?でも僕頑張るんだ!

ママンのため、、僕のため。

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